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 翌日、なんか腰が痛い。まぁ変な体勢で寝ているのだから当たり前だ。起き上がって伸びをする。そしてすぐにポケットをさすって財布と携帯、パスポートの存在を確認する。

ちなみにこのエアコン待合室、「インドにしては」綺麗な専用トイレがあるので、その点はかなり良い。朝の準備を荷物に気を付けながら整えて、出発体制を整える。忘れ物と紛失物がなくてよかった。

815分、次のコルカタ(Kolkata;カルカッタ)行きの列車に乗り込む。ベッドになっているのでこれ幸いと寝転がって寝る。列車がエアコンの寝台車だからかもしれないが、乗客は少なかった。そして列車が出発して2時間後、完全に目が覚めた。向かい側にインド人の男2人組がいて、音楽を聴いている。

今までのインド人と違って、ヒンディー語で会話しているので、たぶん北インドの人だろう。

どうも列車で長時間いるのに慣れてしまったらしく、10ルピーのチャイを数回頂き、昼食もどうせカレーだし、有料なので拒否して、晩御飯だけ食べた。自分はノンべジだけど、向こう様はべジ食らしい。

このコルカタからチェンナイの間に良い感じの門前町があるらしいのだが、トリッチーみたいな感じかとか思って通過することにした。もういいや。リキシャ煩いし。

車窓を眺めながらネットに何気なく繋いで、日本人は人に迷惑をかけるなと言い、インド人は自分も迷惑をかけるんだから人のことも許してあげなさいと言うみたいな記事を眺めていた。

その夜、向かい側のインド人が動き出す。なぜか勝手に荷物をずらし始め、通路を挟んで反対側のベッドの下に収容した。「何してんの?」と聞くと、「ベッドとベッドの間に荷物があると邪魔だろ? ここにスペースができればもう一人寝られるんだ!」などとよくわからないことを言うので、

「床に寝んの?」と床を指さす。「そうだって言ってんじゃん」との趣旨のことを言っている。

そして謎のお父さんが現れ、「just 8 hours trip, No Problem!」とかさも当然なような顔で言っている。

(いや、困るんだけど)と思いながら、でも彼らは大家族で子供のベッドをお金を払って確保しなかったらしく、人間があふれている。

 

そしてシーツを広げだすインド人…
もうどうにでもなれと思い、先行きを見守る。

 

そして深夜、トイレに行きたくなり起きる。2段ベッドの上にはお母さん、姉、子供が寝ている。
そして下段にはシーツで寝ているインド人のもう一人の方がベッドに寝ている。

 

とりあえずシーツの人を起こさないように携帯の光を頼りに靴を探す。
「あいつ靴どこにやったんだ」と思いつつ、5分探してもみつからない。
仕方なく靴下を履き、ちょっと埃っぽい列車の床を歩いてトイレに行った。
途中車掌に見つかり怪訝な顔をされる。

 

朝起きたら、靴がベッドの下の奥底から発見された。
大人になっても平然と人に迷惑かけるんかい…

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ちなみにこのクラスでチェンナイからコルカタにいくと2550ルピーかかりました。

たぶん急行だと思います。予定だと20時間の旅ですが、遅れて26時間列車の中にいました。