芸能人かどうかに関わらず、日本の労働者の待遇が良いかどうかは疑問の余地がある。

芸能人については、おそらく一般の労働者と比べて「悪い」ということが言えると思う。

単純に労働組合が無い。

芸能人というのは有名ではない限り、また自分自身でエンタテインメントを作り出せない限りは、

「事務所」やテレビやラジオなどの放送媒体やプロデュースする側との関係から弱い立場だと考えられる。

最近の芸能界で起こったこと

 これを書いている人の家にはテレビがないので、Twitterやインターネットを介してでしか芸能界のことはわからない。

知る限りだとTime lineをにぎわせているのは木村 花さんの自殺と、 #検察庁法改正案に抗議します の件だ。

 朝日新聞系のハフィントンポストや、J-Castニュースが報じている。

ハフィントンポストは指原さんの意見については報道していないが…

芸能人は政治的発言ってできるのか

 政治的な発言をすることは口を開けばできるけれど、もし自分が芸能人なら、一度「自分のファンを失うリスク」を考えそうだ。

なぜならファンの中には政治的に法案に反対だったりする人もいれば、もちろんそうではない人もいる。

それに芸能人である自分は仕事を失うかもしれない弱い立場だ。ファンは多いほうが良い。

この件で面白かった点は、「判断ができない」「反対です」以外の意見が芸能人から全く上がってこないところだ。

芸能人はリスクを取れるけど、特定の政治的発言はできないのかなと疑問に思う。

まぁ芸能界の人たちがそういう意見を「偶然」誰も抱かなかったのかもしれないけれど。

そして困ったことに、検察庁法の件では

指原さんは…

「ツイッターで、今回ので言うと、すごく簡単に記された相関図とかが載っていて、

それが拡散されてここまで大きくなったと思うのですけど、本当にそれを信じていいのかとか、

双方の話を聞かずに、勉強せずに偏ったものだけ見て

『え、そうなの? ヤバい。広めなきゃ』

っていう人が多い感じがして、

正直この件に関しては私はそこまで信念がなかったので呟けなかったです」

と言って、別に賛成しているわけでもない指原さんを叩く人まで現れたし、記事まで出てきた。

芸能人の政治的な発言という点に関しては、別に今に限ったことではない。

2016年にガレッジセールのゴリが、

普天間の在日米軍の基地問題について「反対派の声ばかりが目立っている」と発言した後、冠番組の「にじいろジーン」が打ち切り

正直自分の地元について語るくらい許せよと個人的には思うがそういうことがあった。

フジテレビ騒動

自分がまだテレビを若干見てた時にあったのが、高岡 蒼甫さんのTweetが話題になった2011年のフジテレビ騒動だ。

問題になったのはこのTweet

2chではこの件で522スレもたったらしい。

1スレッドにつき1000レスなので、関心の高さがうかがえる。

個人的な見解を述べると、2011年はリーマンショックで景気が悪かった。

韓流ブームというより、韓流ドラマが価格的に安く購入できたから、

俳優や芸能人を雇って番組作るよりコスパが良かったのではないかと思う。

番組は製作費の安い韓流ドラマに変わっていった。

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コロナ対策での優等生である皆大好き台湾では

自国の番組比率が時間帯の40%を下回らないように規制があり、

40%分は台湾の芸人や俳優に最低でも仕事は確保される。

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日本では現状どうなんだろう。

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ひょっとしたら芸能人は簡単に仕事を失うのかもしれない。

これを含めて芸能界に対しては所謂「国内産業の保護」があるのかないのかわからない。

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そう考えると、高岡さんの意見は芸能界全体の仕事を守るため、ある意味当然のものなのだ。

ただ、その後干されてしまっているので、今年まで様子を見てきた中では

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芸能界では特定の政治的発言はやはり許されない

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という感じがしている。言論の自由はない。

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実は芸能界以外でも…

特定の政治的な意見に賛成してほしいという圧力というのは日本国内に存在する。

大企業だと「労働組合」とかは、憲法九条の改正に反対する署名活動を仕事場でしていたりする。

当然これには回覧印を押して、署名は書かない。労働組合は雇用者ではないからだ。

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これのおかげで日本企業の労働組合の交渉力が上がらず、残業も蔓延している。

今回でいえば、テレワークも実現されなかった企業も多かったと思う。

そして、仕事をきっちりできていて、職場に欠かせない人間は署名しなくても何も言われない傾向がありそう。

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逆に芸能人の場合で、自分の先輩芸人や、事務所や放送媒体が、

特定の思想に従ってハッシュタグを使って、その芸能人の影響力を使おうとした場合、

依頼された芸能人はそれを否定することができるのかというのは、見ている立場としてはとても疑問なところだ。

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(ハラスメントや不当なことをされても、他の芸人や俳優は自分の仕事を犠牲にして被害を受けた芸人や俳優を守るのは程遠い話かと思う)

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芸能人を含めて、テレビに出る人は保護されていない

 芸能界には労働組合がほぼほぼ無いのかもしれない。

ということはテレビに出る人に対しても「アフターケア」ということが、

番組制作者によってなされていないのではないかとも考えられる。

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 去年2019年、イギリスのITVのトーク番組「ジェレミー・カイル・ショー」で自殺者が出た。

出演者は一般の人々でお互いの日常や人間関係についてスタジオで際どい内容について話し合う。

この場合はカップルの「不倫」について「うそ発見器」にかけられながら話し合いに応じたらしい。

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 その後、うそ発見器の結果が発表され、「うそをついている」という結果が出た。

残された女性は「信じられない様子だった」と自分の彼氏についての様子をBBCに語っていた。

その後、男性は自殺し、舞台は議会へと移された。

首相官邸の報道官はこの件について、「放送事業者や制作会社は、番組の参加者や視聴者の心の健康や安全に対して責任を負う。適切な支援体制が提供されなくてはならない」とコメントした。

英下院デジタル・文化・メディア・スポーツ特別委員会のデイミアン・コリンズ委員長(与党・保守党)は、通信・放送関連規制当局オフコム(情報通信庁)に対して、「ジェレミー・カイル・ショー」など視聴者参加型の番組における支援体制を確認するよう呼びかけた。

コリンズ委員長はBBCに、委員会は15日にも問題を非公開会合で協議すると話した。

自分自身の強迫性障害(OCD)など心の健康について発言してきたチャールズ・ウォーカー下院議員(保守党)は、ITVに対して「ジェレミー・カイル・ショー」の打ち切りを呼びかけている。

ウォーカー議員はBBCに、「これは転換点だ」と言い、ITVが「もう潮時だ」と判断するなら、「それは極めて賢明な判断だ」と述べた。

https://www.bbc.com/japanese/48277132

 ということで、一般人参加型の番組には十分かどうかわからない「サポート体制」がイギリスには存在している。

そして、「適切なサポート体制が基本」とされている様子がわかるが日本はどうだろう。

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正直に言うと、私は「テラスハウス」には台本というのがある程度存在していると考えている。

そのため、イギリスの一般参加型の番組とは多少異なるのかもしれない。

ただイギリスでは台本は無いのだろうし、テラハでは私は台本が存在すると考えているが、

大半の視聴者はひょっとしたらテレビショーを「真実」だと考えてしまうような人もいるのだろうと思う。

(学校で校外学習でテレビ局とか行く人は知ってるはずなんだけど…)

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今回お亡くなりになった、木村 花さんも本職は女子プロレスラーということで、

本来はテラスハウスにも一般人のテレビ番組の参加ということに対して、

サポート体制が必要だったと考えられるし、

そうした議論を政治的にしなくてはならない時期に差し掛かっているのかもしれない。

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こうした政治的発言を是非ともTwitterでしてみればと私は考えている。

番組が打ち切りになる前に、もう一人死者を待たねばなりませんか?
それとも死者を二度と出さないために特別なケアを用意することはできませんか

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芸能界が今すべきことはなんでしょう

それは、芸能人の影響力を使って、#検察庁法の改正に反対します と言わせることなのでしょうか。

もっと先にやるべきことがあるのではないでしょうかと提案したいので、この記事を書きました。