という記事を見た。とりあえずラトビアでググるとこういう系の記事と、ブロンド美女とか、謎な内容を目にする。しかしながら、ラトビアが注目されているIT分野のオフショア先としての地位や旧ソ連時代の技術の民間利用などの話はトップに出てこない。

表題の記事通り、戦争で男性が死んでしまい、女性の活躍が不可欠だったという背景はあるが、記事中の「能力重視や女性の活躍、ワークライフバランスといった課題に真摯に取り組むことで得られる成果。それを体現しているのが彼女であり、ラトビア経済なのだ。 」という部分については具体的な記述が無かった。どのように取り組んだのか、どのような環境が必要なのか、ということが重要であって、ラトビアの話題を抓みにして、「これだから日本は」とか言って酒を飲みたいわけではないのだ。そういうのは無意味だと思う。

近年日本では少子高齢化で子育ての環境整備が話題になっており、厚生労働省の資料によると、第2次安倍政権発足から1年経ってから待機児童数が減少し始めたが、未だに日本にとって解決すべき問題なのは間違いない。

この話題を「女性の活躍」という面で考えると、まぁ曖昧な言葉であるが、たぶん海外ではそういう言い方はされていない。Gender Gapという言い方がおそらく普通だと考えられる。

Gender Gapについて考えてみると、Gender Gap Indexという指標がある。詳細はWikipediaとかで調べてもらいたいが、経済面では「労働力の男女比、類似の労働における男女の賃金格差、推定勤労所得の男女比、管理的職業従事者の男女比、専門・技術職の男女比」などが考慮の対象のようだ。

ちなみに日本については

Japan records a significant widening of the gender gap for professional and technical workers, adversely affecting its ranking despite further progress in reducing the gender gap in tertiary education enrolment and women’s representation among legislators, senior officials and managers, and in improving wage equality for similar work.

という評価になっている。ただこのコメントの後半にも少し疑問がある。

それは「類似の労働における男女の賃金格差」という部分で厚生労働省が調査している国民生活基礎調査によると女性の非正規率が57%、男性の非正規率が22%という記述が見られる。(ちなみに22÷57≒0.3860である)
普通に考えて、これが大きな原因の1つだと考えられる。

 

スコアカードを見ると、購買力比での賃金格差がすごい。
たぶん男性の派遣労働者と女性の派遣労働者をSimilar workとすれば差は出ないだろうから
(そこら辺の調査方法も気になる。日本は特殊で派遣・契約社員・社員・アルバイト…と色々ある)

じゃあ保育園云々も大事だけど、同一労働同一賃金を推し進めた方が良いのかも。そうすれば子供を保育園ではなく幼稚園に入れられるほどの余裕(所謂サービスを買う購買力)を女性が手にすることができるし、男性の22%についても同様のことが考えられる。そうすると少子化にかなり貢献しそう?な気がしてきた。

 

マジでこの詳細がよくわからない記事を基に時間をつぎ込んで準備もできてないのに調査するのってどうなんだろ。そもそもこの筆者が詳細に解説すればこんなことしなくて済んでいるのではないか、とか考えつつも、まぁとりあえず街頭インタビューのノリで調査してみよう。

みたいな感じで調査することにした。そして上記を踏まえて、同一労働同一賃金についての質問項目を突っ込んで、調査票は杜撰すぎてヤバいけど、下記のようなものになった。

ちなみに10枚用意したものの現時点で8人分しか回収できていないが、3番目の「同一労働同一賃金は社会で働く女性に貢献しているか」という設問では7人がYesと答えた。Noって言ったのは職業欄が「IT」だったが、私の設問が勘違いを生んだ可能性も否定できない。

この件についてある高齢の女性は「We have no discussion, things is just like that」と回答した。(一応Yesに含めた)

ただ日本では人材派遣会社の中抜きが問題になる。なぜなら、紹介料を法人から取る場合はあるけど、労働時間から中抜きするのは日本くらいで、規制されるパーセンテージが法律で規定されてないことや、派遣社員が派遣先で仕事を失っても雇用が継続されないため、世界でも非常に特殊な労働市場になっている。つまり派遣会社には雇用を維持する義務が無いような雰囲気がある。

これに規制を掛けず認め続けた場合、女性の非正規労働者率を考慮すると、Gender Gapは改善されない、そして少子化の問題も…ということになってしまう懸念がある。

あとは、学歴による賃金格差や、ボーナスの有無(基本給が低いので)、他にも色々考えることが多いけど、欧州では欧州連合法で下記のように定められている。

Each Member State shall ensure that the principle of equal pay for male and female workers for equal work or work of equal value is applied.’

上記に定められている他、国連初の専門機関である国際労働機関(ILO)の憲章の前文にも掲げられている。

ちなみに国際労働機関(ILO)で日本は常任理事国だが、未批准の条文が多いらしく、「雇用及び職業における差別待遇禁止」の条約も未批准らしい。この機関の歴史はロシア革命に遡る。

日本だと女性の活躍により経済が…
プレミアムフライデーで個人消費が云々で経済が…

みたいな視点で考えられているようだが、歴史を遡ると、同一労働同一賃金は「基本的人権」とされていて、それ以前の問題のようだ。

 

では次にどうなることやらって感じのアンケートの結果を見て行こう。

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