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 この前日は夜遅くまで、ホーカーズで語り合った。なかなか難しい話のようで申し訳なかったが、今日の8時に飛行機は出発する。タクシーでホステルまで帰り、動かない頭を動かしながら荷造りを終えた。その後マッサージ屋に向かい1時間ほど眠ろうと考えた。

 「You go to Malaysia ah?」「Two Week?」と中華系の受付のおばさんはいろいろと詮索した。とりあえず頷いておく。たぶんインドに行くとか言うともっと色々聞いてきて煩くなる。とにかく眠たい。

 この日に限ってマッサージ屋のお姉さまはいろいろ話してくる。中国語を若干話す日本人が珍しいらしい。その後外で喧嘩が発生し、お姉さまは手を足に置きながらも立ち上がって乱闘騒ぎを見ようとする。

(今がチャンスだ。寝よう。)

 とか考えて寝ようとするものの、意識がかなりはっきりしてしまっていた。

 マッサージが終わり、ニヤニヤしながら隣のマッサージ椅子に座って手で頭や肩を触ってくるお姉さまをシカトして30分睡眠することに成功し、4時にマッサージ椅子からゆっくりと起き上がる。荷物を持って店の外に出るとお姉さまがパンをかじっていて、食うか?と聞いてきたが、「不用吃 Bye Bye」と言うとにこやかに手を振ってくれた。無視して眠ったことに対して、なんか悪いことをした気持ちになる。

 タクシーを捕まえて、中国お姉さまに手を振り、空港へ向かう。中華系の運転手は高速に入るとアクビを繰り返した。車線の真ん中を車が走る。まるで滑走路を離陸する直前の飛行機のように。

離陸するのはまだ早いと思い、Are you Okay? Sleepy?と話しかける。もちろん自分を守るために。

運転手は「Okay lah, will soon Shift change」と言う。シフトチェンジ前にチャンギ空港なんかに連れてってしまって悪いねと思いつつも、なんとか空港まで走ってくれたことに安堵した。

 チャンギ空港のTerminal 1に到着した。もちろん2年前に好きだったカレー屋に行くため。しかし、カレー屋は見当たらなかった。インドに行く前に中華系のカレーチキンを食べようとしたが失敗に終わってしまった。

 第2まで移動し、ラクサを食べた。日本食とか、パンとかいろいろ選択肢はあったのにラクサを食べている自分に気が付き、「やっぱ次もシンガポールで働くのかな」なんて漠然と考えた。

 その後、6時前になりチェックインが開始される…はずだったがカウンターは空かなかった。行先はデリーではなく、そのひとつ上の変な地名の場所だ。

 タイガーエアのチェックインが始まる前に、なぜかインド行きの専用レーンをスタッフが作り始める。そしてカウンターに並び始めた時、自分以外は全員、ドラヴィダ系のインド人だった。かなりAwayを感じる。そしてテレビや謎の段ボールを運んでいる人がやたらと多い。

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