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 朝7時に起床し、30分で支度を済ませた。荷物が少ないのでどうってことはない。

8時にサイゴンホテルの前でワゴン車でピックアップされ、即席のバスの駐車場のようなところで降ろされた。予め予約した時のレシートを手渡し、切符に換えてもらい、バスに乗り込む。各ホテルからピックアップ込みで80000キップだった。

 バスはベッドとかではなく、久々に普通の座席のバスだった。中古のようで私の頭の上にはテレビ台の跡らしきものがあり、そこに毛布が突っ込んであった。

 バスは長いメコン川を渡る。メコン川の東はラオス、西はタイと考えると地図を思い浮かべるにはわかりやすいが、ここの両岸はラオス領で、橋は日本の支援でできた橋ということだった。

河を渡り切ってしばらく走ると、バスはラオスとタイの国境に停車する。ラオスキップはタイでは両替できないという話だったので、両替をしてもらう。

特に何も案内はされなかったが、ラオスの出国審査を終えた後、バスには戻らないで両替所の前を通り、タイの入国審査に入った。平日だったからか、ラオスでは出国の際に特にお金は取られなかった。

ラオスを出国後、タイのイミグレーションに入り、簡単に入国カードを書き、入国スタンプが押された。エックス線の前を通り過ぎ、めんどくさいことは全くなかった。

 バスに戻ると、タイの警察官が、荷物をバスの前で降ろして待っている。どうやら、自分の荷物を金属探知機にかけて、爆発物検査をしなくてはいけないようで、荷物を持ってもう一度建物に戻り、先ほど素通りしたエックス線に荷物を掛けて、検査を終えた後に、荷物をバスのトランクに戻すことができた。

 タイに入って入国管理局の建物の隣に、セブンイレブンがあり、タイに入ったんだなという感じがする。

過去にはタイ人は冷蔵庫は小さいのを買って、セブンイレブンを大きな冷蔵庫代わりにしていたという話もあったが、今は冷蔵庫の普及率は93%くらいのようで、今はどういう状況下はわからない。新興国はものすごい勢いで変わっていくので、ビジネスはやらないことがリスクという言葉がぴったりかもしれない。巻き返しが難しい。

 食品、飲み物、食べ物、シムカード、雑誌となんでもあるので、タイ人の生活にすっかり溶け込んでいる。コンビニ市場のセブンイレブンのシェアは60%くらいだそうだ。

 タイに入ると、いきなり道路の質がかなり綺麗になる。一番の違いは道路に「しっかりと車線が引かれているところ」かと思う。そして車線も2車線ほどあり、車社会の到来を臭わせる感じがした。

 バスは湖畔や田んぼの中などを走り、しばらくすると、ウボンラチャダニのバスターミナルに停車する。やはり、タイのバスターミナルもラオスと同様、中心部から離れているようで、「こりゃタクシーか…」と思っていたところ、バス停らしきものを発見し、10バーツで鉄道の駅まで行けることがわかった。

 バス停から発着しているのは定期便のソンテウで1回乗ると10バーツということだった。これでウボンの市街を通り過ぎ、また郊外っぽい風景が広がり不安になるものの、鉄道駅もバスターミナルと同様に、街から離れた郊外に位置しているようだ。

 鉄道の駅で切符を買った。その日の夜2030分にウボンを出て、バンコクに730分に着く列車の2等ベッドの下段だった。快速列車らしく、481バーツとキップの値段は安いが、エアコンではなく、ファンという内容だ。

 その後また、ソンテウに乗り込み、市街を目指す。市街にはセブンイレブンが沢山あり、その1つで49バーツのシムカードを買って、タイの電話番号を確保した。タイは南北東西にも大きく、長期滞在になりそうな国の1つであるので、電話が欲しければセブンイレブンに行くのが良いと思う。セットアップはしてくれないが、シムカードを差し込むだけである。ネットも使える。

そして中国系の決済サービスや、銀行カード付属のデビットカードから直接お支払いができるような機会もタイに入って久々に見ることができた。ラオスには無いものだ。

その他にも漫画などの娯楽や化粧品、銀行、華僑がやっている金行(金をお金に交換するところ)もあり、タイでは貧しいとされるイサーンの地方都市ながらも、経済的な豊かさを感じられた。

 

こうしているうちに夕方になり、再び駅への道を歩いて戻った。中心部から駅まで1時間程度かかったので、ソンテウを待った方が良いかもしれないなと思った。

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