リタイアと言っても人間の話ではない。
時が経つにつれて変わり行く風景。あなたが毎日使う電車も例外ではなかったと思う。
例えば常磐線ユーザの皆様、かつてこんな電車が走っていなかっただろうか。
たぶん見覚えはあるだろうと思う。
引退後、自分たちを学校へ連れて行ってくれた電車はどこへ行ったのだろう。
ここである。
ここはインドネシアの首都ジャカルタ。たぶんチキニ駅かマンガブサル駅かな?
覚えていない…
廃車を免れた電車たちはインドネシアで働いている。インドネシアで余生をのんびりすごせるかと言ったらそうでもない。ドアから人があふれ(そのまま走り)、屋根にまで人が乗る勢いの(でたまに本当に乗ってしまう)怒涛の通勤ラッシュが彼らを待っていた。
写真の列車はかつては常磐線、千代田線、小田急などで働いていた。でも新型電車が入ればもういらない子である。
しかし、一方で出稼ぎの人口が増え、電車不足に悩んでいたのがジャカルタで通勤電車を運営するPT.Jabodetabekだ。ちなみにJabodetabekとはジャカルタ、ボゴール、ブカシ、…まぁそこあたりの地域の頭文字をとってジャカルタ都市圏ってことになっている。西ジャワやバリではインドネシア中から出稼ぎが集まる。
なぜ日本の電車なのかというと、線路幅が同じこと(中国の電車のお古は線路幅が違うので、ジャカルタでは走れない)、導入コストが安いこと(新車は高い)、整備がよくできていて、クオリティも高いことなどが挙げられるそうだ。
利用客や自分的には
1.エアコン、扇風機がついている。
2.基本的にちゃんとドアが閉まる(例外もある)
3.シートが硬くない(海外のMRTのシートはプラスチック製などが多い)
という点が嬉しい。
実際に乗るとどんな感じか・・・
まずジャカルタからボゴールやブカシ、Universitas Indonesia(インドネシア大学)に行くには電車に乗る。まず切符を買うことから、窓口についたら行きたい駅名を言う。そしてお金を(細かい札で)払う。(たまにおつりが無い)
Saya mau ke なんとかでどこに行きたいって意味になるので、
Saya mau ke Universitas Indonesia
サヤ マウ ク ユニバシタス インドネシア
って言えばインドネシア大学駅までの切符くださいって意味になる。
切符は紙でできててペラペラ。なくしそうなくらい小さく、脆いので注意しよう。
電車に乗ると車内販売が始まる。というか物売りが乗ってきて勝手に電車の中で商売を始める。
ジュース屋、新聞屋、おかし屋、食べ物屋までいる。
電車が出発すると風景はこんな感じに…
この風景、なにがすごいかって電線が見当たらない。でも今乗ってるのは電車。
どれだけ交通インフラに金をかけなくちゃいけない状態なのかなんとなく想像できそう。
そして終点はこんな感じだった。
朝の通勤ラッシュ時はおすすめしないが、お昼くらいに郊外の方を見たいのなら乗ってみても良いかもしれない。
(たまにジャカルタコタ駅の構内で脱線してるけど)
(この記事は2011年ごろに書きました。たぶん)