シンガポールで散髪

昼休みちょっと前、11時ごろのオフィス、会社のパントリーでコーヒーを飲んでいると、周りの同僚が自分と同じチームの中国人の同僚に中国語で話しかけていた。一通りランゲージブロックな話が終わると、彼女が「髪が長いって言われてるんですよ(笑)」と教えてくれた。

 

終業後、なんとなく彼女のTranslationが気になり、美容院へ向った。通りは雨に濡れていて、雲行きは怪しい、そして空はまだ明るく、雷鳴が轟く7時ごろのシンガポールの通りを歩き、美容室へ到着した。

実は自分が良く行く美容室も、オフィス同様に、いやオフィス以上に中国語圏な感じになっている。ドアを開けると、ガヤガヤしていた店内のスタッフさんは静かになって、「なんだなんだ?」って目で見てくるので、右手でチョキを作って髪の毛にあてる。それを見たスタッフはシートを指さして、中国語で「ライツ―ベェン」と言った。

 

鏡越しにスタッフを見ると、中国語で「今日はどんな風に切るの?」的なことを言っている。とりあえず返事の代わりに携帯をいじり出す。女性の美容師は、Show me photoとか言って、スマホに目を落として文字を打ち始める。自分はその隙に携帯で「半分 half」と書いて見せる。そうすると、「おぉ…わかった」みたいな感じになる。しかし油断してはならない。

美容師さん…「Do you want to use machine?」とかいいつつ、バリカンを持ってくる。後面可以(ホウメンクーイー)と言い、その後にちょっと強調して、頭の側面を撫でて、「This side, NO!」と伝える。この時、簡潔に伝えることが大切だ。

 

 

 

さぁ、無事に終わりますように…

 

 

 

 

眼鏡を外して、雨に濡れた髪を美容師が梳かしていく。その後、髪をバリカンで美容師が耳の周りの髪の毛を、櫛を使いつつ刈っていく時、心の中で緊張が走る。刈った後に、OK?と訊くので、眼鏡をかけて要チェック…今日は大丈夫そうだ。

 

美容室の中は賑やかだ。この間髪を洗ってくれた江西省出身のスタッフが、会計の席に腰かけて暇そうにスマホを眺めている。その後お客さんが来て、「紅豆」を歌いながら客の髪を洗い始める。周りのスタッフやお客さんも一緒に歌い始める。

 

スタッフの会話を盗み聞きするに、今髪を切ってくれている人は台湾の人らしい。「You Japan right? How long you stay Singapore? 」と訊いてくる。色々抜けている英語だけど、理解ができる。そしてこっちが話す中国語も色々抜けている。こういうコミュニケーションはたまに面白いのである。

(人によっては「你在新加坡多久了」→You stay Singapore How long?みたいな人もいる。)

 

なんだかんだで、散髪は終了… 「OK Done!」って感じでそのまま終わりそうな展開だったので、「髪洗いたいんだけど」って言うと、美容師は少し嬉しそうだった。たぶんちょっと歩合制的な要素があるからかもしれない。自分もあまり頭に髪の毛が残ったまま帰りたくなかった。

 

というわけで洗面台に寝かされる。目を開けると広告が見えるので、再び目を閉じた。髪の毛を掻きむしるように洗ってもらい、若干首もマッサージしてもらって気持ち良い。

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