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前回の反省、わかったことなど

 前回の調査(というか酒場巡り)の結果、Basic Incomeについて前向きに考えている人が多かったし、働かなくて良いじゃんみたいに言う人もいなかったし、酒で消えるからダメみたいに言う人も居なかった。要するに自己責任ってところが徹底しているのか、個人主義があるのかというのはちょっとわからなかった。フィンランド政府としても実験中なのでまだ結果が出てこないというところもあるだろうと思います。


ニュースから他に判ったことは、この社会実験がスタートして4カ月で、ストレスレベルの軽減を報告していることでした。例に上がっていた女性は、「両親の介護で働けないが、職安(みたいな機関)が仕事を紹介しに掛けてくる電話におびえていた」みたいなことを言っていて、なんじゃそりゃ…と思ったものの、日本では鬱病で生活保護を受けていたシングルマザーがメルカリで現金を落札みたいな話があり、「あぁ鬱病かぁ…鬱病にも効くのかな?」と少し思ったが検証にはすごい時間が掛るのでそこで留めておきました。

 フィンランドは福祉が手厚く、その影響で中途半端な職に就くよりは、失業給付受ける方を選ぶ人が多いため、Basic Incomeを導入して雇用を促進しようという背景があることがわかりました。実際に学校も無料で行けてSkill upもできるし、そしたら雇用によって職業経験積む方が良いのかもしれない。(少なくとも何もないよりは…)

 フィンランドでは解決する問題があり、その問題の解決のためにBasic Incomeを導入することがわかりました。要するにフィンランド政府にとって、Basic Incomeはそれを実現することが目的ではなく、何かを実現しようとする手段なのだということです。では、日本がBasic Incomeを使って解決するべき問題とは何なのでしょうか。

Issueから始めろという通り、問題設定に割と悩んでたのですが、Twitterで何やら都合よく解り易いものが流れてきたので、課題を進めるために頭の中にCtrl CCtrl Vすることにしました。これが「大学時代もっとも打ち込んだこと」の人も多いかもしれません。(私は違います) ちょっと良心が痛むのですが、ごめんなさい…でも、ありがとう。

その都合の良い物とは、経済産業省の次官・若手プロジェクトのプレゼン資料です。自分の頭の中に脳みそを探してみても「無い物は無い」し、私の旅費にも限界があります。

ちなみに後日Business Insiderで担当官の名前を知ることができたのは良かったと思います。

そして、スライドを読む限り、「この状況に対応できる社会保障の手段としてBasic Incomeは役立てるのではないか、という気がする。」

 

 

というのが現状です。もっと他の場所や都市に行って、どのような効果があるのか、肌で感じて、できればどこか(物価の安いチェコとか?)に潜伏してデータも見てみなくてはいけないなというのが現状です。
世論は「Basic Income? もう働かなくていいじゃん。ヒヤッハー」みたいな段階を越えていかなければならないと思うので、私も引き続き情報集めとか頑張っていこうかなというところです。

そして、この段階だと、もしBasic Incomeという「手段」を使うなら、何に対して、どのような成果を求めて使うのかということが大切です。

このスライドは情報共有という面で実に素晴らしい物でした。エストニアでの電子政府が実現するまでの経緯で過去の例を挙げると、やはり企業や政府、国民が問題意識を共有していったということがエストニアの成功を左右したのは間違いありません。(その反面教師としてマイナンバーやラトビアの例?が存在するのかもしれませんが…)
しかしながら、協調性の高い日本なら、きっと問題を解決できるとまだ信じています。

そのなかで、今回の経産省のスライドは、Internetの時代に、1億2千7百万人が「問題を共有する」ということについて普段から悩んできた私のような人にとっては朗報だったのではないでしょうか。難しい問題をできるだけシンプルに纏めて頂いて頭が上がりません。具体的な対応策が無いと批判が出ているようですが、それは国民が当事者意識を持って世論形成していくものだと思います。

経産省の皆様、こんなバカにヒントを与えてくれてありがとう。以上です。

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