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 前日、KL Sentral駅に行って列車の時間を調べた。私がシンガポールに住んでいた2年前、クアラルンプールからシンガポールまで、直通する夜行の国際列車があったからだ。それが今では無くなっていて、KL SentralからGemas(グマス)まで行って、ジョホールバル行きのSouthern ExpressことEkspres Selatanに乗り換えなければいけないらしい。列車の本数は12本と少ない。時間もクアラルンプールの出発が18時くらいで、Gemas20時、もう一つは深夜1時発で到着がだいたい夜の330分と使い勝手は最悪そうだった。

 今日は朝起きてシンガポールに行くはずが、10時に起床した。まぁ寝坊である。でも大丈夫!




だいたいシンガポールまでは5時間くらい、なんてテキトーな見積もりで、バスターミナルに向かう。

バスターミナルはTBSこと南総合ターミナルに向かう。昼間の空いているLRTに乗り込む。エアコンで暑さが飛ばされる。そして一気に体温が冷やされていくのを実感した。ふと目的の駅名をさがすと、Bandar Tasik Selatanとなっていて、駅名と施設名が若干一致していない。

 そしてバスターミナルに到着する。バタワースと違って、バリアフリーがある程度あり、助かる構造になっている。ここ南バスターミナルはいろいろな交通機関が集結していて便利だ。ただ、全部集合させるのも時には困りものである。

 ここからシンガポールまで、45リンギット払えば直接行くことができるのだが、夜ご飯を物価の安いマレーシアで食べておこうと思ったのか、いつもの感じでジョホールバルことJBまでチケットを買った。
I want to go to JB」と言うか、マレー語ができるなら「Saya mau ke JB(サヤ マウ ク JB)」と言えば切符を発行してもらえる。この時にバスを選ばされるのだけど、カウンターにあるタッチパネルをいじると注意された。バス会社と、時間を選んで、モニターに掛かれている料金を払うだけ。ここではどうやらバスの値段の交渉はできないみたいだ。

 昼食を食べようと1時間後のバスを取った。14:30発のJB行き、バスはCauseway link35リンギットだった。だいたい1000円くらい…だと思ってる。カウンターでゲートに30分前に来いと言われた。昼食は22リンギット払ってハンバーガーを食べた。バスの値段と比べると、ちょっとお金を食べ過ぎている感がある。どうやら自分の燃費はバスより悪そうである。

 

 昼食後、待合室でバスを待つ。呼び出しを喰らってる人が沢山いて、ゲートのスタッフさんも大変そうである。初めから「置いていく」前提ではないらしい。やがてバスが来て、荷物を預けて、バスの指定の席に座る。シートは広めで、乗り心地はすごく良い。ベッドから起きた時の惰眠が蘇って来て、少し遅い気もするけど、惰眠を貪ることにした。エアコンが心地よい。

 

 しばらくして目を開けると、バスはマレーシアのだだっ広い高速をバスが走っていた。延々とプランテーションのアブラヤシが見える。エアコンが寒くなってきた。


 マレーシアの高速道路では、東南アジアでもマレーシア特有の標識がいくつかある。

 前日、KL Sentral一つはイスラム教の祈祷室の標識、そしてスコールが降り注ぐので、「この先雨宿りする場所あり」という内容の標識も出ている。

 

 KLからJBまでの風景は、狭いシンガポールから出ると、なんとなく開放感があって気持ちの良い風景だが、今回はどっちかというと懐かしい感じの方が強かった。小雨が止んで、青空が顔を見せる。

 もう一眠りすると、バスからセナイ空港出口の標識が見えるので、もうジョホールバルに着いたことを実感する。ジョホールバルに着くと、地元の人を路線バスの停留所で降ろしたりしながら、終点のラーキンターミナル(JB Larkin)に到着する。荷物を引っ張って、バスターミナル隣のピザハットに行った。

 ジョホールバルも野良猫がいて、ピザが出てくるまでの間、猫と戯れる人を横目で眺めていた。でも、こういう風景はシンガポールではあまり見れない。たぶん東南アジアだと今日が最後かなと思う。

 

 マレーシアを出国すると、また同じバス会社のバスに乗り込み、Causeway(橋みたいなもの)を渡ってシンガポールに到着する。この時は来るバスが同じ会社なら問題ない。だって最終的にはシンガポール側で入国審査のためにまたバスを降りることになる。

 平日の午後7時、特に渋滞もなくCausewayを渡り切った。シンガポール側で降りると、英語がMain Languageになり、雰囲気が若干変わる。ここで入国カードを書いて、シンガポールに入国する。入国審査の列に並び、自分の順番が回ってくる。審査官は中華系の人だ。審査官のおじさんは、自分のパスポートを手に取り、言葉を発する。

 

 

Alamak, Alex(), OT eh?

 

振り返ると、審査官の同僚が空いている審査場で、道具を広げて準備をしている。

 ※OT→Over Timeつまり残業

アレックスは「No choice」と答えて準備を淡々と進める。なぜか審査場に一瞬だけ和やかな空気が漂った。入国審査の際に航空券などについては聞かれず、あっさり入国する。

 

 そこからがちょっと大変だ。いろいろなバスで来た人がどっちのバスで家路につくのが早いのか考えつつ、乗換を始める。自分の審査が終わったあと、Queen Street(茎因街)行きのバスがちょうど出発してしまった。そのあと、Kranji行きやNewton行きは来るものの、30分間はQueen Street行きは来なかった。

 もう待ちきれずに路線バスに乗って最寄りのMRT(地下鉄)の駅に行こうとする人、バス会社を変える人などいろいろといる。

 暑い中30分待って、バスに乗り込んだ。荷物を出口のところに置き、降り口の階段のところに座り込むとバスが出発した。アブラヤシではなく、動物園の横の人工的な森を抜けて、広い高速道路を走る。30分くらい走ると、バスは下道に降りて、なんだか懐かしい、それでもって少しだけ変化したシンガポールの街が広がり、終点のQueen Streetに到着する。

 なんだか2棟くらいビルが増えた感じがするBugisへ向けて、重い荷物を引っ張る。夜9時、今日の宿に荷物を置くと、少しだけ変化した街を少しだけぶらついて眠りについた。

 

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