蘇州に1日だけ遊びに行った次の日、南京に移動することにしてあった。既に購入した切符を持って、上海虹橋駅へ行く。時刻表を眺めて、ホステルから2つ先の上海駅を指定して、列車番号も上海駅から出ると書いてあった列車のものを入れたが、列車は遠い虹橋駅から出るようだった。

 列車が出発する1時間前、ホステルを出る。重い荷物を引き連れ、爆発物検査を済ます。そして人民広場駅では人海に阻まれ、前に進めない。どうにか、2号線に乗り換え、一路虹橋駅を目指す。思ったよりも遠く、時間がかかるのと、ホームドアがあるため、短くても1分くらいは駅に停車していることもある。そして時計を眺めながら車内で過ごすことしばらくかかり、列車の出発10分前に駅に到着した。地下鉄の駅を降りると、高速鉄道の駅の入り口がわからない。振り返ると、「250m先」という看板を発見し、早歩きをするが、列車の出発5分前になり諦めた。中国の電車は出発の5分前に改札を閉じるからだ。あまりにも駅が広すぎるのと、地下鉄で時間をもっていかれてしまった。

そして、実はこの駅、国内線メインの虹橋空港と繋がっているかなりデカい施設となっていて、将来はマグレブ(リニア)まで来るらしい。将来は交通の一大ハブを形成するだろう。ますます駅はでかくなって面倒くさくなる。

 ここでも爆発物検査があり、地下鉄の時では没収されなかった髭剃りクリームが没収されてしまった。没収されると名簿に名前を書かされる。

 そして後続の列車は1時間後に出るため、その切符を買ったところ、あっさりと買えたので、「こんなことなら駅に来てから切符買えばよかったな」と思った。(春節の時はたぶんダメだけど) 駅のお店で27元のコウロウ飯弁当を買って列車を待つ。20分前になり、改札が開始され、ホームについているICE3の顔をした高速鉄道に乗り込む。

 電車の中はLCCのように荷物置き場やシートに広告が貼ってある。そして電車は別に満員というわけでもなかった。電車が走り出すと、中国語で、列車内でたばこを吸うなとか、トイレに変なものを流すなとか、ものすごく長い注意事項がお知らせされる。その後、電車は昆山に到着した。

 昆山を出発して250キロくらいで走っていると、後ろから300キロくらいの速度ではやて君の親戚に追い抜かれる。新幹線の複々線って気持ち悪いが、それがこの国の鉄道輸送の現実なのだろう。なんせ人口が多いのだ。全ての人民が飛行機に乗って大気を汚すよりずっと良いと思って、あるがままを受け入れることにした。

 沿線の風景は工場、マンション群、田園といった殺風景な感じの風景が続き、その後大きな湖の中の高架橋を通過する。まるで浜名湖みたいだったが、スモッグと水質でそんなに綺麗な風景ではなかった。田圃は1つずつの面積は小さくって、大陸の大規模農業を想像していたので、なんか意外であった。そんなこんな考えている間に電車は南京南駅に到着した。

 上海、蘇州などの例に漏れず、南京南駅も巨大であった。デカい駅と比べてこじんまりとした地下鉄の駅から、夫子庙駅を目指す。今日泊まるホステルはここにある。南京の地下鉄もまた、蘇州のように降りる人を待つ文化がないようで、乗り降りの際に困惑する。なんだか上海から遠ざかるほどマナーが悪くなっているような感じさえしてくる。乗換を1回だけして到着した。

 駅を降りると、伝統的な街並み風になっており、運河もあった。それっぽい風景を見たいなら蘇州よりここがお手軽かもしれない。ホステルの場所は少しだけわかりにくかったが、なんとか到着することができた。

つづく

虹橋駅までの地下鉄 5元
上海虹橋→南京南 89.5元 Dの動車組 2等車
南京のホステル2泊分 100元
弁当 27.5元
ジュース20元
南京南→夫子庙 3元だった。たぶん