タルゴとはカタツムリとか、アニメキャラの名前ではなく、スペインで発明された列車の名前で、実は鉄道会を2分する存在だったりします。

 



 

世界の鉄道は大きく分けてこのタルゴか、台車(車輪)の上にボディーが乗っているボギー車に分けられます。日本の場合、走ってる電車は基本的にボギー車です。

タルゴとボギー車、何が違うのかというと、まず左右の車輪を繋ぐ車軸がありません。

車軸がないので、その間に通路を作っちゃったりすることができるので、車高がとても低かったりします。そのため、なんだかチンチクリンな印象を受けるかもしれません。

実はタルゴの母国スペインとインド、鉄道に関しては共通点があります。

それは線路幅が異様に広いということです。下の図はインドの鉄道の線路幅で、

インドの大都市間は下の図で一番広い1,676 mmで統一されているようです。

File:Project Unigauge (India).svg

ちなみにスペインの在来線は1,668 mmで、インドの線路幅に近いです。

日本の場合だと、新幹線は1,485 mmで、これは国際標準軌となっている線路幅で、ドイツも、フランスも、イギリスも、中国も、アメリカでもこの線路幅が多いです。

いつも乗ってる首都圏の通勤電車は、線路幅1,067 mmの線路を走っていたりします。

線路幅が広いと、どうなんの?というと、高速で走る時に安定します。

インドみたいに人が多い場所だと、車体が広く作れて人がたくさん乗せられたリという利点もあるかもしれません。新幹線の席が横5列だけど、普通の特急は横4列みたいな感じをイメージすると解り易いかもしれません。

しかし、インド国鉄の普通の車両で線路幅が広いカーブを曲がると、車軸が存在するため、スピードを落とさなくてはならないし、左右の車輪が同じ速さで回るので、線路幅が広ければ広いほど、車輪の摩耗は激しくなります。

そこでタルゴを導入すると、カーブを高速で曲がることができ、インドメディアによると30%省エネになるとか、そういう話もありました。

インド鉄道の高速化


 インドの鉄道は、改軌など高速化や直通運転の努力をしているものの、イギリス時代に作られた路線が多いです。近年高速化を目指していて、日印首脳会談で、ムンバイ、アフマダーバード(Ahmadabad)の間で新幹線方式を導入することで合意がありました。

日本でもそうでしたが、インドも民主主義の国なので、用地買収にかなりエネルギーと時間を必要とします。そのため、日本が東京から大阪間を開通したように、いきなりデリーからムンバイというようにはならないのかもしれません。

そこで、広軌の既存路線を使って極力高速化を実現するために、タルゴを導入し、デリーからムンバイの間を試験走行をすることになり、スペインのタルゴ社はタダで列車を貸してくれたそうです。(Renfeってスペイン国鉄のロゴが入ってました)

インドのメディアによると、デリーからムンバイ間の約1,400kmが17時間から12時間に短縮されるそうで、試験走行では12時間7分で走破したそうです。

いろいろ乗り越えなければならない課題も多そうですし、12時間は長いなぁという感じもしますが、これからのインド鉄道に期待したいと思います。